2023.12.22
あのウィスカを発見!
こんにちは。
はんだ付け職人の大堀です。
こんなものを発見しました!
文献等の写真で目にしたことはありましたが、
廃棄予定の古い電解コンデンサの中から、あのウィスカを発見!です。
液漏れしてる不良品があるな~と思って、
「これも液漏れしてるし・・・・ えっ!これもしかして、あのウィスカ!?」
ビックリです。早速、拡大写真を撮影しました。↓
バッチリ撮れました。
リード線の直径が約0.5mmですので、およそ150umの成長です。
ウィスカの発生メカニズムは明確になっていないようですが、
ある文献によると室温でも発生するらしく、湿度や酸化・腐食、外圧力などで生じるとの事です。
上の図は大阪大学産業科学研究所の菅沼克昭氏が「ウィスカ研究の動向と発生メカニズムの理解」の中で示されているものですが、
高温多湿の雰囲気中(30℃、90%)では6000時間程で約85um程成長するとのこと。
例えば1年の内、約1か月間を梅雨の高温多湿の雰囲気中と仮定すると、
150umになるにはおよそ15年くらいかかって成長すると言う事になります。
電解コンデンサは未使用品でも保管環境によっては約20年程で液漏れするものもあるらしいので、
製造から20年近く経過した電解コンデンサの使用は控えた方が良いのかも知れません。
しかし、皮肉なもので鉛フリーが台頭してきた2000年代に入って、
1940年代の問題が再発しているとは。。。しかも案外普通に起きる事象なのだと。
今回ははんだ付け作業とは関係ありませんでしたが、私自身とても勉強になりました。
皆様のご参考になれば幸いです。
【参考文献サイト】
・ウィスカとは何ですか?(メッキ.com)
・ウィスカー(ウィキペディア)
・鉛フリーはんだで発生する「ウィスカ」とは?(Electrical Information)
はんだ付けに光を・・