2022.01.06
超すぐれもの(はんだ付け道具)
※こんにちは。はんだ付け職人の大堀です。
(記事の内容は一番上が最新で、下に行くほど以前の記事になっています)
最近、とんでもなく高性能な「はんだコテ」が発売されましたので紹介します。
太洋電機産業株式会社(goot)さんから先日発売されたPX-280です。
一見、(極めて普通な)はんだコテなのですが、使ってビックリ!
スタンドアローンなのに、ステーション並みのスグレものでした。(;汗)
(↓RX-802のコテ台がそのまま使えます)
温調機能を搭載していて、コテ先温度を任意に設定(ディジタル表示)できます。
(既にいろいろなメーカから温度設定ができるものが存在します)
さらに、このPX-280には衝撃センサーが搭載されていて、
なんとスリープ状態から手で持った瞬間に(ちょっとした衝撃で)再起動します。
(これ、凄くないですか!? スリープ開始時間も設定できます)
使用感は、基板作業レベルであれば十分な熱応答性があるので不便を感じませんでした。
イメージ的にはステーションタイプのRX-802A S に匹敵します。
(以前ここの記事で紹介しました↓下の方にあります)
ただ、外観を見るとステーションの機能が本体に凝縮されているので大きくなり、
普段RX-802A S を使っていると太くて少しやりにくく感じました。
(あくまでも個人的な感想です)
また、どうしても気になってしまったのが電源ケーブルの付け根部分です。
一般的な使用、もしくは業務機の補佐的使用であれば問題ないと思いますが、
しなやかな分、少し強度が足りないような気がします。。。
(屈曲に何回耐えられるのか?これも、あくまでも個人的な観点です)
最後にRX-802A S のコテ(RX-80GAS)との大きさ比較です。
スタンドアローンか、ステーションか、好みが別れる所です。
コテ先も豊富な種類がありますがワンタッチでは交換できないので、
あまりコテ先を交換することが無い作業には最適かと思います。
性能的にはとても完成されているので1本あると心強いコテだと感じました。
◎◎◎2023年12月22日、「代9回福山ブランド」に認定されたそうです!◎◎◎
★☆★☆★ 酸化しにくいコテ先 (2021.08.10) ★☆★☆★
前回、窒素ガスを噴出するコテ先をご紹介しましたが、
実は窒素ガスを使わなくてもコテ先を酸化させにくくしてくれるコテ先があるんです!
それが、これです。↓
コテ先はこんな感じです。(未使用状態)
要は大気中の酸素がコテ先に触れなければよい訳で、コテ先にはんだを長く滞留できれば、
必然的にコテ先が酸化しにくくなる訳です。(発想の転換ですね)
では、実際に使ってみましょう。
いろいろな部品やケーブルをつけたり取ったりして、約1時間使用したコテ先が下の状態です。
ギザギザの溝にはんだが薄く滞留して、コテ先の酸化防止と、はんだの濡れ性、
熱の伝導性がアップしています。リード線や端子のはんだ付けに向いている
「パッと見B形」のコテ先です。
なんとローテク!太洋電機産業さん素晴らしいです。
窒素ガスが使えない多くのユーザーにとっては朗報ではないでしょうか。
(このコテ先はRX-802AS鉛フリーはんだ対応ステーション型はんだこてで使用します)
★☆★☆★ コテ先の窒素ガス噴射 (2021.08.04) ★☆★☆★
コテ先やはんだを酸化させないためには大気中の酸素に触れなければ良い!
この理論を具現化したのが今回紹介するコテ先です。
ハッコー製のもので、このコテ先だけではもちろん威力を発揮しません。
窒素ガスが必要であることと、窒素ガスをコテ先に送り込んでやるシステムが必要です。
これらを使用すると、あら不思議!
ジャケットは酸化してもコテ先とはんだは酸化しません。
(酸素が無いから当たり前ですね ; 汗)
個人で窒素ガス噴出コテ先を使用できる方はかなりレアだと思いますが、
世の中にはいろんな道具があるもので、参考にして頂ければ幸いです。
★☆★☆★ コテ先の持ち手部分 (2021.07.30) ★☆★☆★
コテ先ばかりに注目していましたが、もっと重要なインターフェース部にも注目したいと思います。
このRX-802ASのコテ先交換方法が大変使いやすくて優秀なんです。
グリップ後部にあるレバーをスライドさせると、コテ先の一定量が出てきます。
そして黒色樹脂部を持って(ここは熱くありません!)交換するのですが、
なんと簡単、工具いらずです。
火傷の心配もありません。(使用直後の金属部は熱いので気を付けて下さい)
よくできていますよね~。
作業中にコテ先を変えることを念頭に入れた設計思想に頭が下がります。
ご興味のある方は是非一度使ってみてください。
道具が仕事をする事を実感できると思います。
★☆★☆★ 定番のコテ先 (2021.06.25) ★☆★☆★
特殊なコテ先ばかりに気が入ってしまっていて、最も肝心なコテ先のご紹介を忘れていました。
そこで、今回は「殿堂入りコテ先御三家」をご紹介します。
上から、
① 3BC (RX-80HRT-3BC)
② 2C (RX-80HRT-2C)
③ 2.4D (RX-80HRT-2.4D)
です。
何を今さらと、言われそうですがこの3本を持っていれば
電子回路の部品をはんだ付けするのに苦労しません。
(強電は別です。使う部品の大きさが違いますので)
それぞれ使用する部品、場面が異なります。
適材適所的な使い方をするのですが、中でも特に2.4D形は重宝します。
(定価は全て同じです)
作業される方お一人にこの3本は是非常備してほしいと思います。
以上、全て太洋電機産業株式会社のMade in Japanでした。
★☆★☆★ 超すぐれものコテ先 その参(2021.06.15) ★☆★☆★
またまた超すぐれものコテ先を見つけてしまいました!
前回と同じく太洋電機産業株式会社(goot)製のRX-80HRT-5.5Kです!!
4.5Kより一回り大きくなっていて、刃先の断面角も76度で同様ではありませんが、
よ~~~く切先(キッサキ)を見てください。
通常のナイフ形は日本刀の様に切先が尖っていますが、
この5.5Kは面取りしているではありませんか!!
すなわち、これもD形同様にSMD部品に使用できるということです。
(しかも4.5Kより熱容量が大きい)
ちょっとカタログを見てみると、
なんと奥ゆかしい事でしょう。この事には一切触れていません。
図面をよく見ないと全く気が付かない所です。
これ、めちゃくちゃ凄くないですか!?
知った瞬間、寒気を(ゾクゾクと)感じました。
本当に凄い事なのですが、、、わかっていただけますでしょうか。。。
★☆★☆★ 超すぐれものコテ先 その弐(2021.05.10) ★☆★☆★
先日、凄く画期的なコテ先を見つけました。(前からあるものですが、、、)
太洋電機産業株式会社(goot)製のRX-80HRT-4.5Kです。
一般的にあるナイフ形なのですが、このコテ先のナイフ断面角度が90度になっているため、
D形(マイナスドライバー形)のように使える点が優れています。
しかも、D形に比べて蓄熱している体積が大きいため、
対象物(部品)に的確に熱を加えることができます。
うむむむ!さすが日本のメーカーです。
いい仕事してますね~(地味に感動しています)
今までD形が使いやすいと思っていましたが考えが変わりました。
これからも良い道具を見つけ次第ドンドンご紹介して行きたいと思います。
(道具が仕事をしますから)
★☆★☆★ 超すぐれものコテ先達のステーション(2021.04.06) ★☆★☆★
当然ですが、ご紹介しているコテ先だけでは使用することができませんので、
基本的なステーションをご紹介します。
これがベーシックな機能のみ(これだけあれば大抵のものに対応できます)の、
太洋電機産業株式会社製RX-802AS(鉛フリーはんだ対応ステーション型温調はんだこて)です。
とても使いやすくて愛用しています。
良い道具を使って、はんだ付けのスキルをアップしましょう!
(何だかんだ言っても、やはり道具が仕事をしますので)
★☆★☆★ 超すぐれものコテ先 その壱(2021.04.1) ★☆★☆★
SMD0603サイズの部品交換実装のご依頼が来ました。
上の写真の0.3mm×0.6mm(0603)の部品が対象です。
(下の部品は”ミリサイズ”の1608です)
”インチサイズ”の0603ではありません。”ミリサイズ”の0603です。
これSMDあるあるです。1005なんか間違えたらとんでもない事になりますよね。(経験者)
今回の秘密兵器は、これです!
どうですか~ 0.5Cって、シャーペンの芯サイズですよ。
凄いのは細さじゃなくて断面角度です。
一般的には断面角度は45度なのですが、これは60度なんです。
対象の部品は小さいですが、この角度の差は大きいです。
極小ピンポイントのはんだ付けには接地面積が大きい方が有利ですから。
熱容量が不安でしたが作業を行うと何の問題も無く0603を交換実装できました。
ほんの少しの差ですが、ここに道具の差が出るものなんですねぇ。
太洋電機産業株式会社さんマジで凄いです。
(もちろん、使っているのは鉛フリーはんだです)
はんだ付けに光を・・