2023.11.02
微細部品の手実装例
こんにちは。
はんだ付け職人の大堀です。
つい先日、微細部品の実装ご依頼がございましたので一部ご紹介いたします。
微細部品の実装と言えば自動機で部品を載せてリフローすれば均一にはんだ付けできるのですが、
今回ご紹介する基板はそれが出来ないのです。
なぜかと言いますと、レジストが無いからです!
基板の最表面にある層がレジストなのですが、これがランド部と配線部を分ける唯一の層になります。
基板設計や実装を行っている方なら既にご理解頂けていると思いますが、
このレジストでランドを囲まないと、はんだが流れて部品も一緒に流れてしまいます。
と、言う事は配置したい場所にはんだ付けできないという事になります。
「そんなの基板設計がダメじゃん!」と、言ってしまえばその通りなのですが、
世の中にはレジストが無い基板が意外とあります。
特に研究機関での実験試作品ではむしろ普通です。
しかも数量が数枚となれば当初より自動機での実装は想定されていません。
ですので手実装が現代でも必要な技術なのです。
さらに、近年の流行りで部品は年々小さくなってきています。
今回ご依頼頂いた部品は1005Mや0603Mといった微細部品が主です。
つい最近まで「1608Mって3216Mの1/4しかないじゃん!」って言っていたのが嘘みたいです。(;汗)
これくらい小さいサイズになるとレジスト膜の厚みがむしろ邪魔になるかも知れません。
そういう意味でもレジストが無い基板の誕生に繋がっているのかもしれませんね。
これが実装の一部拡大写真です↓
はんだの流れを加味しながら1個1個手実装して行きます。
0603Mになると、一度見失ったら発見することが困難なくらいの大きさです。(ほぼ一味の粉サイズ)
お気付きになられた方もおられると思いますが、シルク表記もありません。
部品実装配置図を頼りに配置して行きます。
まさに真剣勝負そのものです。
(実際には部品表と部品配置図、顕微鏡をほぼ同時に見て作業しています)
今回はほんの一部の例ですが、手実装(微細部品の実装)技術をご紹介いたしました。
もしこの様な実装をご検討・ご希望の場合には是非お問合せ下さい。
お待ちしております。
はんだ付けに光を・・